情報通のクライアントさんとかだと、結構この手の要望が出てくることがあります。クライアントに限らず、代理店の中でも他でうまくいった手法・ターゲティングを他のクライアントでもやってみることは結構あるかと思います。
私としては、これって結構危険なんじゃないかと思ってます。もちろんそれで上手くいくケースもあるんですが、ちゃんと1回自分の頭で「それって上手くいくの?」って考えるのが大事だよね、ということを書きたいと思います。
良く聞くケース
①「YDNでターゲット絞らず、クリエイティブを工夫したら結構取れた!」
②「競合だとFacebook広告のCPAがすごく安いらしい」
③「hagakure対応したらCPAが改善した」
こんな感じの他社で上手くいった事例をよく聞きます。そうなんだ!効果良くなるならやってみよう、となるのもわかります。ただ、その前に少しだけ考えてほしいんです。
「なんでその会社は、その施策が上手くいったのか」を。
例えば、自社がファッション通販サイトを運営しているとします。
で、①のYDNノンターゲティングでうまくいったのが健康食品の500円サンプルの申込みを獲得する広告を出していたのであれば、果たして同じ施策をやってうまくいくでしょうか。
注意点1:コンバージョンへのハードルが全然違う
500円のサンプル購入と通常商品の購入だとユーザーの支払うお金が全然違いますよね。
500円だったら失敗してもユーザーは「まぁいいか」と思えるので、気軽に試しに買うことが出来ます。購入へのハードルが低いから、なんとなくインターネットをしていたユーザーでも買ってくれる可能性があります。
服の通販で、仮に平均客単価が6,000円であれば、ユーザーにもよりますが失敗したらショックですよね。かつ、500円の健康食品と比べれば服は衝動買いはされにくいでしょう。
無料会員登録のような、コンバージョンへのハードルが低い商材であれば、広めのターゲティングで上手くいく可能性は結構高いと思います。
けど通販や来店予約など、コンバージョンするのにある程度覚悟がいる商品だと難しいでしょう。
注意点2:商材が同じだったとしても、サイト・LPは違うからCVRは同じにならない
そしてもし商品が同じもしくは類似するとしても、LPやサイト・フォームの作り・決済方法の種類など、完全に同じということはほとんどないかと思います。
そもそもLPの出来が全然違かったら、同じだけの効果を見込むことは難しいでしょう。
何故うまくいったのか?を自分なりに考えないとダメ
他社の成功事例を参考にすることは凄く良いことだと思います。ただ、その時に大事なのは、「なんでその会社は、その施策が上手くいったのか」をしっかり自分の頭で一度考えることだと思っています。
②「競合だとFacebook広告のCPAがすごく安いらしい」
先に出したこういう噂話レベルの情報も非常に多いのですが、じゃあどんなターゲティング・クリエイティブで出したの?と聞くと大体何も出てきません。
単純にリターゲティング配信で取れただけってケースもあります。
「Facebook広告は年齢・性別などの情報が正確で、あの競合はターゲットの年齢がかなり明確だから、上手くいったんじゃないか?」
とか、
「若年層の女性向けの商材だからInstagramのストーリーズ広告と親和性が高かったんじゃないか?」
とか、仮説を立ててみると良いでしょう。
とりあえず試してみる、は全然あり
仮説を立てて、上手くいくイメージが持てたのであれば少額でまず試してみるのは全然ありだと思います。制作がからんだり、最低出稿金額が決められている媒体を新しくやるのであれば、天秤にかける必要はあると思いますが。
眉唾物レベルの情報も多いのでそのまま鵜呑みにはせず、しっかりと取捨選択して、一度自分で考えることが大事ですね。